Implant

インプラント

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歯を失ってしまった方への治療法

インプラントとは

インプラントとは

インプラントとは歯を失った部分に人工の歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。顎の骨としっかり結合することで安定した噛み心地を実現し、まるで自分の歯のように違和感なく使用できるのが特徴です。

入れ歯やブリッジ治療とは異なり、周囲の歯に負担をかけることなく失った歯を補うことができます。インプラント治療は単に噛めるようにするだけではなく、日常生活の質を向上させるための選択肢のひとつです。

食事を楽しむことはもちろん、会話の際の発音のしやすさや笑顔に自信を持つことにもつながります。失った歯をどのように補うかは患者さま一人ひとりの状況によって異なりますが、インプラント治療はその中でも多くの方に適した方法の一つといえるでしょう。

当院のインプラント治療の特徴

最新の技術と設備を駆使し、安心・安全な治療を提供している当院のインプラント治療の特徴をご紹介します。

インプラント治療の
プロフェッショナルが担当

インプラント治療のプロフェッショナルが担当

当院では、高度な専門知識と豊富な臨床経験を持つインプラント専門医が治療を担当します。これまでに多くの症例を手がけた歯科医師が、患者さま一人ひとりの状態やご希望に合わせて最適な治療プランをご提案いたします。

また、治療前にはインプラントのメリット・デメリットを含め、治療内容を丁寧にわかりやすくご説明します。ご納得いただけるまで図や資料を使って何度でも説明しますので、気になる点や不安な点があれば、どうぞお気軽にご相談ください。

顎の構造を立体的に診断できる
先進のCT装置

先進のCT装置

当院では、インプラント治療や抜歯などの外科処置において、「歯科用CT」を活用した精密な診査・診断を行っています。CTは、歯や顎の骨の状態を3Dの立体画像で詳細に把握でき、従来の2Dレントゲンでは確認が難しい神経や血管の位置まで正確に把握することができます。

これにより、治療計画を安全かつ的確に立てることができ、手術時の神経損傷や大量出血といった重大なリスクを最小限に抑えることが可能です。患者さまが安心して治療を受けられる環境づくりの一環として、CT診断を積極的に取り入れています。

世界的に信頼されている
インプラントメーカーを使用

インプラントメーカー

インプラント体(人工歯根)は世界中で多くのメーカーが製造しており、製品の種類や特徴もさまざまです。当院では、患者さまに安心して長くご使用いただくために、世界的に信頼性の高いインプラントメーカーの製品のみを採用しています。具体的には、世界70カ国以上で使用され、インプラント分野でトップクラスのシェアを誇る「ストローマン社」と、インプラントのパイオニアとして知られ、長年にわたる研究と実績を持つ「ノーベルバイオケア社」の製品を使用しています。

どちらのメーカーも、豊富な臨床データと厳格な品質管理に基づいた高品質なインプラントを提供しており、手術の成功率や長期的な安定性に優れています。さらに、充実したアフターサポート体制により、治療後も安心してケアを受けていただけます。また、当院では保証制度も設けており、万が一のトラブルにも対応できる体制を整えていますので、ご安心ください。

ガイドシステムを用いた精密な手術

ガイドシステム

当院では、インプラント手術において「サージカルガイド」と呼ばれる専用ツールを使用しています。サージカルガイドは、CTスキャンなどのデータをもとに、インプラントの埋入位置を正確に決定するために作製されるガイド装置です。

サージカルガイドを使用することで手術の精度が飛躍的に向上し、インプラントが正確に配置されます。これにより、周囲の組織への負担が軽減され、治療後の回復が早くなります。また、神経や血管を避けることができるため、手術中のリスクを最小限に抑えることができます。

インプラント治療の流れ

STEP 01.

事前検査(精密診断)

インプラント治療を行う前に、口腔内の状態を詳しく調べる必要があります。

  • レントゲン・CTスキャン撮影(顎の骨の状態を確認)
  • 口腔内模型検査(噛み合わせのチェック)
  • 全身の健康状態の確認(糖尿病や高血圧など、持病の影響を考慮)

これらの検査をもとに、患者さまに合った最適な治療計画を立てます。治療内容や期間について詳しくご説明し、ご納得いただいたうえで手術の日程を決定します。

STEP 02.

治療開始(インプラント埋入手術)

お口の中が清潔で炎症のない状態であることを確認したうえで、インプラント埋入手術を行います。局所麻酔を施し、顎の骨にインプラント体(人工歯根)を埋め込みます。このインプラントが、新しい歯の土台となります。
インプラントが骨としっかり結合することで、強い噛む力を支えられるようになります。

手術の流れ

  • 麻酔を行い、顎の骨にインプラントを埋入

  • 手術後、骨とインプラントが結合するまで待つ(3~6ヶ月)

  • 必要に応じて仮歯を装着し、見た目と機能を維持

STEP 03.

上部構造(人工歯)の装着

インプラントが顎の骨としっかり結合したら、その上にアバットメントと呼ばれる土台を取り付けます。その後、提携している歯科技工士が、患者さまの歯の色や形に合わせてセラミックなどで上部構造を作製し、装着します。
これでインプラント治療が完了し、天然歯のような見た目と機能を取り戻すことができます。

上部構造の特徴

  • 患者さまの歯の色や形に合わせて作製
  • 見た目が自然で美しい
  • 強度が高く、長期間使用可能

こだわりのインプラント治療方法

当院では、美しさと機能性を両立させた精密な治療計画を提案し、難しい症例にも柔軟に対応します。また、低侵襲手術を取り入れ、術後の痛みや腫れを軽減し、回復を早めることを目指しています。

美しさと機能性の両立を目指す
治療計画

当院では、「トップダウントリートメント」という考え方に基づいてインプラント治療を行っています。これは、「こうなりたい」という理想の見た目や噛み合わせのゴールを先に決めてから、そこに向かって治療を逆算して組み立てていく方法です。

見た目の美しさだけでなく、噛む力やバランス、発音など口腔全体の機能性を考慮した治療計画で、長く快適に使える美しいお口元を実現します。

骨が薄い、少ないといった
難しい症例にも対応

顎の骨が少なくなっている場合、通常はインプラント治療が難しくなることがあります。しかし当院では、骨を再生させる「GBR(骨誘導再生法)」や骨移植術などの治療を行うことで、インプラントが可能な状態へと導くことができます。

また、すべてのケースで骨再生療法を行うわけではありません。患者さまのお口の状態によっては、骨がしっかり残っている部分を活かしてインプラントを埋め込む方法をご提案することもあります。例えば、短めのインプラント(ショートインプラント)を使ったり、骨のある方向に傾けて埋入する「傾斜埋入法」などの技術を用いることで、骨造成を行わずに治療できる場合もあります。
骨再生療法は骨ができるまでに時間がかかり、治療期間が長くなることがありますが、これらの方法では治療期間を短縮できる可能性もあります。

歯ぐきの切開を最小限に抑えた
低侵襲手術

当院では、インプラント手術の際に歯ぐきを大きく切開せず、最小限の切開で行うフラップレス手術を取り入れています。この手法では歯ぐきを必要最小限にしか開かないため、術後の痛みや腫れが少なく、回復が早いという大きなメリットがあります。

従来の手術方法に比べて傷口が小さいため、治癒も早く、身体への負担が少ないのが特徴です。こうした理由から、患者さまのご負担を軽減できる治療法として注目されています。

静脈内鎮静法をご希望の方へ

当院ではインプラント手術時に限り、ご希望に応じて「静脈内鎮静法」に対応しています。静脈内鎮静法とは、点滴で鎮静剤を投与し、うたた寝をしているようなリラックスした状態で治療を受けられる方法です。治療に対する恐怖心や緊張が強い方におすすめです。
処置中は麻酔科医が全身管理を担当しますので、安心して治療を受けていただけます。

ご希望の方は、お気軽にご相談ください。なお、親知らずの抜歯など保険診療で静脈内鎮静法をご希望の場合は、提携先のTMGあさか医療センター歯科口腔外科をご紹介させていただきます。

TMGあさか医療センターについて

骨が足りなくてインプラントが難しい場合の“安心の再生医療”

安心の再生医療

当院のインプラント治療では、CGF(濃縮成長因子)とAFG(自己血フィブリングルー)を用いた再生医療を取り入れています。これらは患者さまご自身の血液から作られる素材で、人工物を使わず自然な治癒力を引き出せるのが特徴です。

  • CGF:血液から作られるゲル状の再生素材。骨や歯ぐきの再生を促進し、術後の腫れや痛みもやわらげます。
  • AFG:血液由来の接着・保護材。止血や再生材の固定を行い、治療の安定性を高めます。

インプラント手術や骨造成、抜歯後の治癒など幅広く活用でき、拒絶反応やアレルギーのリスクが少ない安全な治療です。「骨が足りなくてインプラントが難しい」と言われた方にも、有効な選択肢となります。

インプラント治療のメリット

インプラント治療には、以下のような多くのメリットがあります。

01

天然の歯のような噛み心地

インプラントは顎の骨にしっかりと固定されるため、自分の歯とほぼ同じ感覚で食事を楽しむことができます。入れ歯のようにズレたり外れたりする心配がなく、硬いものでもしっかりと噛めるのが特徴です。
例えば、ステーキやリンゴなどの硬い食べ物でも自然な噛み心地を実感できるため、食事の際のストレスが軽減されます。また、食べ物の温度や質感もしっかりと感じ取れるため、味覚を十分に楽しむことができます。

02

周囲の歯を守れる

ブリッジ治療では失った歯の両隣にある健康な歯を削る必要があり、それによって歯の寿命が短くなってしまう可能性があります。しかし、インプラントは独立して機能するため、周囲の歯を傷つけることなく歯の健康を維持できます。
さらに、歯を削ることによる神経への影響も避けることができるため、将来的なトラブルを減らし、口腔内全体の健康を長く保つことができます。

03

見た目が自然で美しい

インプラントに装着する上部構造は、患者さまの歯の色や形に合わせて作製されるため、見た目がとても自然です。周囲の歯との調和が取れるようにデザインされるため、人工歯であることがほとんど分からず、審美性に優れています。
特に、前歯を失った場合でも自信を持って笑顔を見せることができるため、見た目を気にされる方にとって大きなメリットとなります。人と会う機会が多い方や人前で話す機会が多い方にとって、自然な口元を維持できることは大きな安心につながるでしょう。

04

顎の骨の健康を維持できる

歯を失うとその部分の顎の骨は徐々に痩せてしまい、時間が経つにつれて骨の高さや厚みが減少してしまうことがあります。これにより、顔の輪郭が変化したり口元が老けた印象になったりすることもあります。
しかし、インプラントは顎の骨と結合するため噛む力をしっかりと伝えることができ、骨の減少を防ぐ効果があります。そのため、顎の骨の健康を維持するうえでも有効な治療法といえるでしょう。

05

耐久性が高く、長持ちする

インプラントは適切なメインテナンスを行うことで、長期間にわたって安定して使用できる治療法です。一般的に10年以上の耐久性があり、適切なケアを続ければ一生涯使用できる可能性もあります。
また、入れ歯のように頻繁な作り替えや調整が必要ないため、長期的に見てもコストパフォーマンスの高い選択肢といえるでしょう。治療後は、毎日の歯磨きに加えて歯科医院での定期的なメインテナンスを続けることで、インプラントの機能を最大限に活かしながら良好な状態を長期間維持することができます。

インプラント治療のリスク

  • 口腔内の衛生管理が不十分な場合、手術後に感染が起こる可能性があります。
  • 骨とインプラントがしっかりと結びつかない場合、インプラントが外れることがあります。
  • 顎の骨の近くにある神経が傷つくと、痺れを感じることがあります。
  • インプラント手術の際、隣接する歯や骨が傷つくことがあります。
  • インプラント周辺の歯ぐきが退縮したり、腫れたりすることがあります。
  • インプラントに使用される金属にアレルギー反応を示すことがあります。
  • 噛み合わせに問題が生じることがあります。

メインテナンスの重要性

インプラントを長く健康に保つためには、天然歯と同じように日々のケアがとても重要です。ケアを怠ると、「インプラント周囲炎」と呼ばれる歯周病のような炎症が起こることがあり、進行するとインプラントが抜け落ちてしまうおそれもあります。

このようなトラブルを防ぐためにも、毎日の丁寧なセルフケアに加え、定期的に歯科医院でのチェックやプロによるクリーニングを受けていただくことが大切です。正しいケアと継続的なメンテナンスを行うことで、インプラントは天然歯に近い感覚で長く快適に使い続けることができます。

定期検診(3~6ヶ月ごと)

定期検診

通常、3〜6ヶ月ごとに歯科医院で検診を受け、インプラントの状態を確認します。これにより、インプラントがしっかりと骨と結合しているか、噛み合わせに問題がないかを早期に発見することができます。また、インプラントのネジの締まり具合をチェックし、緩みがないか確認します。ネジが緩んでしまうと、インプラントの安定性が損なわれる可能性があります。

さらに、歯科医院では専用の器具を使用してインプラントの周囲をクリーニングします。これにより、通常のブラッシングでは落とせない歯垢や細菌を徹底的に除去し、インプラント周囲の炎症を防ぎます。

毎日のセルフケア

セルフケア

インプラントも天然歯と同じように、毎日のケアが欠かせません。柔らかめの歯ブラシを使用し、歯ぐきを傷つけないように優しく丁寧にブラッシングを行いましょう。さらに、デンタルフロスや歯間ブラシを使って、歯と歯の間に挟まった細かい汚れや食べかすを除去することも大切です。これによってインプラント周囲の歯ぐきが健康を保ち、インプラントが長持ちします。

また、うがい薬の活用も効果的です。抗菌作用のあるうがい薬を使うことで、細菌の繁殖を抑えることが期待できます。

インプラント治療のよくある質問

  • インプラント治療は痛いですか?

    インプラント手術自体は局所麻酔を使用するため、痛みを感じることはほとんどありません。
    手術後、麻酔が切れると軽い痛みや腫れを感じることがありますが、これらは数日以内に治まります。必要に応じて痛み止めを服用することで、快適に過ごすことができます。

  • インプラント治療後に注意すべきことは何ですか?

    インプラント治療後、特に最初の数日間は強い衝撃を避けることが大切です。
    また、硬い食べ物や熱い飲み物を避け、食事や口腔ケアは慎重に行うようにしましょう。術後から数日間は痛みや腫れが続くことがありますが、適切なケアを行うことで早期回復が期待できます。

  • インプラントはすべての人に適しているのでしょうか?

    インプラントは、顎骨がしっかりしている方には最適な選択肢です。
    しかし、骨の量や質が不十分な場合は、インプラントを埋め込む前に骨再生手術が必要になる可能性があります。さらに、重度の糖尿病やその他の健康状態に問題がある場合にはインプラント治療が適さないこともありますので、事前の評価が重要です。

  • インプラントは保険が適用されますか?

    現在、日本ではインプラント治療は基本的に保険適用外となっています。ただし、医療費控除を受けることができる場合がありますので、費用負担を軽減するために税務署に相談するのも一つの方法です。
    また、インプラントは自由診療であるため、治療費は歯科医院によって異なります。

  • インプラントの治療費はどれくらいかかりますか?

    インプラント治療の費用は、一般的に1本あたり30〜50万円程度が相場です。
    費用には手術料、人工歯、必要な材料費などが含まれます。高額に感じるかもしれませんが、長期的に見ると、他の治療法よりもトータルで費用を抑えられる場合もあります。